輝きを支える人にプラチナ・メダルを Vol.8 | 読みもの&レッスン | プラチナ・ジュエリーの国際的情報サイト|Platinum Guild International
プラチナ・ジュエリーの国際的広報機関による情報サイト

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輝きを支える人にプラチナ・メダルを 株式会社MizLinx 代表取締役CEO野城菜帆さん輝きを支える人にプラチナ・メダルを 株式会社MizLinx 代表取締役CEO野城菜帆さん

大きな功績を成し遂げた人々を祝福し表彰するために授けられるメダル。中でも、最高峰の貴金属プラチナを使用した「プラチナ・メダル」は最上級の功績を称えるもの。「プラチナ・メダル」に相応しい“輝きを支える人”をテーマに、普段はなかなか目にする機会が少ないお仕事をされている方の人となりや魅力に迫ります。大きな功績を成し遂げた人々を祝福し表彰するために授けられるメダル。中でも、最高峰の貴金属プラチナを使用した「プラチナ・メダル」は最上級の功績を称えるもの。「プラチナ・メダル」に相応しい“輝きを支える人”をテーマに、普段はなかなか目にする機会が少ないお仕事をされている方の人となりや魅力に迫ります。

vol.8

株式会社MizLinx 代表取締役CEO 野城菜帆さん

Z世代の起業家 野城菜帆さんは、大学院在籍時に起業し、
日本の水産業を再興するための海洋観測システム開発を手掛け、
世界を変える30歳未満30人の日本人を表彰する
「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」にも選ばれています。
子供の頃からのワクワクを原動力にして活躍する野城さんに、
事業のやりがいや未来について話を伺いました

学生起業をした友人に刺激を受けて会社を設立 学生起業をした友人に刺激を受けて会社を設立

――大学院では月面探査車の研究を行なったり、IoT製品の試作業務にも携わっていらっしゃったそう。子供の頃から理系分野やモノ作りなどに興味をお持ちだったのでしょうか。

幼稚園のときから将来の夢は、宇宙飛行士でした。マンガだったらドラえもん、小説だったらジュール・ヴェルヌの「海底2万マイル」が大のお気に入りで、小さい頃から宇宙や海底といった、いわゆる極限環境に興味がありました。ただ、小学校高学年くらいになると、そうした場所に実際に行くのは難しいなと思い始めて。それで、人間の代わりに行ってくれるロボットに興味を持ちはじめ、大学では機械工学の分野にすすみました。

――大学院在籍中の2021年に会社を設立されます。どんなことがきっかけで起業を思い立ったのでしょう。

大学2年から3年にかけて参加した長期インターンで同期として知り合った友人が、起業をしたんです。自分の好きなこと、やりたいことを、仲間と一緒に実現していく姿が眩しいくらいに楽しそうで。学生起業という道を選んだ彼の行動に刺激を受け、自分だったらどんなビジネスがやれるかなと考えるようになりました。最初は、学生がよくやるようなIT系のプロダクトを作ろうと思ったのですが、自分自身しっくりこない。事業にするなら、自分自身がワクワクできるものでなければと考えたんです。結果、海洋観測システムの開発を手掛ける会社を立ち上げることにしました。

――宇宙ではなくて、海に目を向けたのにはいったいどんな理由が?

宇宙に関しては研究も次々にされているのに、自分たちが住む地球の海底のことって、実はまだ分からないことだらけ。実は、日本の海底には、レアメタルやレアアースといった鉱物資源が眠っている可能性があるんです。もし、見つかったら日本が資源大国になるかもしれない。そんなことを想像しながら、深海の資源探査や資源掘削をしてみたいと思ったのが最初です。なんだか宝探しみたいでワクワクするなって。とはいえ、それを実現するには時間もお金もかかる。そこで、もっと身近な海洋でできることはないかと考えはじめました。そもそも海は、地球の気候変動や漁業といった自分たちの生活に直結する課題を抱えています。そうした課題の追究や問題解決の糸口を探ってみたいと考えたことが、海洋観測システムの開発へと繋がっていきました。

海中の状態を可視化し漁業の損害対策に貢献 海中の状態を可視化し漁業の損害対策に貢献

――海洋観測システムを事業として成立させるために、工夫したことはどんなことでしょうか。

まずは機械を自分たちで作るため、それほど高くないモジュールにすること。そして、それが社会の役に立つものであること。そこで、水深30メートルほどの浅い海の中でデータを集積するシステムを思いつきました。カメラやセンサーを搭載した機械を海中に入れ、海水の温度や酸素量、二酸化炭素量を計測。海の中を見える化することで、魚の養殖など水産業に役立てようと考えたのです。
事業の方向性が固まったら、インターンのお給料で貯めた自己資金で海洋観測システムのプロトタイプを製作。それを持って、今度は起業家向けの助成金プログラムに応募して100万円ほどの支援を得ることができました。さらに、事業のアイデアをブラッシュアップさせ、今度は1000万円の支援をいただく。自分たちの知識や技術、アイデアを少しずつ、皆さんに披露し、理解いただきながら事業を成り立たせ、今に至っています。

――きわめて堅実的に事業を構築しているのですね。

いきなり数千万、億…といった事業は自分の身の丈に合っていない気がして。もちろん、夢は宇宙や海底での事業と果てしなく大きいのですが、その目的にたどり着くためには、事業の対象もかける費用も身近なところからコツコツと、というのが私の性分なんです。目の届く範囲、できる範囲でまずは実践し、それを認めてもらうことが大切なんじゃないかなと。

MizLinx Monitor
モニターカメラがとらえた給餌中の様子

MizLinx Monitorと、モニターカメラがとらえた給餌中の様子

写真提供:株式会社MizLinx

――実際に、MizLinxの海洋観測システムはどのように活用されているのでしょうか。

MizLinx Monitorを海中に設置し、映像や画像とともに水温や溶存酸素、塩分などのデータを取得することで、漁場や養殖場の状態を可視化します。取得したデータをもとに、給餌の効率化を図ったり、⿂病の判定等に活⽤しています。実際、原因不明の魚の大量死、海藻が消滅してしまう磯焼け、赤潮などで漁業関係者が困っているという事例が度々おきます。今年に入ってからも熊本県の八代海沿岸で赤潮が相次いで発生し、100万匹もの養殖魚に被害が出て、被害総額は10億円規模になっているそう。なんとか被害を防ぐ方法はないかということで、弊社でデータを取り、それを解析、考察することで対策につなげていきたいと考えています。

苦労もあったからこそ得られた未来とやりがい 苦労もあったからこそ得られた未来とやりがい

――会社設立から2年。順調な船出にも見えますが、実際に事業を行なってみた感想はいかがでしょう。

正直、想像以上に難しかったです。MizLinx Monitorを正しく設定し、組み立てはずなのに、現場に行った瞬間に動いてくれないということも初期段階ではよくありました。というのも、日本の海はかなり複雑で、波の高さ、風の吹き方、水深、潮の速度も時間や場所でどんどん変わる。そのため、モジュールの形やケーブルの長さ、機器の固定方法もその都度、変えなくてはならず、データの集積方法も考慮が必要。技術的にもなかなか苦労しました。でも、この複雑さが種類豊富な魚がやってくる、豊かな海という証拠なのだということも理解できました。だからこそ、もっと海のことを知り、海のケアをしていく必要があるということも実感しています。

――海だけではなく、昔からその地で生き、海を生業とされる漁師さんたちとのコミュニケーションの取り方にも難しさがありそうです。

そこは本当に苦労しました。長年の経験をもとに、腕一本でやってきたような方々ですから、データ化されるような科学技術は簡単に受け入れられるものではありません。まして、完全によそものの若者が突然やって来て、大切な海になんだか分からない機械を入れられるなんて、嫌に決まっている。最初の頃は、事前説明の段階で「帰れ」と言われたこともありました。ショックではありましたが、むしろ、そこまで真剣に海と向き合い続けてきた方たちとうまくやって行けたら、未来があるって思えたんです。私たちのシステムを使うことで、漁師さんたちの経験と思いが確実にアップデートできて、今抱えている問題も解決し、日本の漁業は盛り返せるはずだって。
 そう思えてからは、地元の漁協や自治体の水産課、水産試験場の技官さん、あるいは地域の海に詳しい大学の先生方と組んで、海をとりまく環境が思っている以上に急変していることなどを、現場の皆さんに分かりやすく伝えることを心掛けるようにしました。

――さまざまな苦労を乗り越えたからこそ感じられる喜びも多そうです。

水産業に触れたことで、日本の海がいかに豊かで海産資源に恵まれているということを知ることができました。そして何より、自分たちが作ったシステムによって、漁業や海洋に関する問題が改善されるのを間近で見れることの嬉しさといったら。地元の方々に「運用してよかったよ!」と言っていただけたときは本当にありがたくて。企業に就職して社員として働いても、世の中の役に立てることはいくらでもあります。でも、自分たちでビジョンを考え、機械を作り、それを活かすシステムを考え、地域の方々と話をし、一緒に問題解決に取り組む。途中、怒られることはあったとしても、お客さまから直接フィードバックいただけるということはやりがいにつながるし、社会に貢献できているという実感を味わえることが何より嬉しいことです。

子供の頃からのワクワクをこれからも持ち続けたい 子供の頃からのワクワクをこれからも持ち続けたい

――プラチナ・メダルにちなみ、野城さんがご自身に“最上級の栄誉” を贈りたくなるような成果・成功とはどんなことでしょうか。

まずは、2年間この事業を続けてこれたこと。そして、社内のメンバーが「この組織に加われてよかった!」と笑顔で言ってくれたことでしょうか。現在、メンバーはパートタイムを含めて15名在籍しています。学生インターンも半分くらいいるのですが、難しい課題にも意見を出し合いながら取り組んでくれています。作業や打ち合わせもできるだけ、顏を合わせて行うようにしているのですが、みんなそれぞれ「この組織が好きで、この仕事が好き」と思ってくれているのが作業をする表情や言動から伝わってくるんですよね。だからこそ、自分もみんなをまとめる代表としてもっと頑張ろうと気合が入ります。

――研究者として、そして会社の代表者として活躍されていますが、ご自身にとってささやかなご褒美になっているのはどんなことでしょう。

自分へのご褒美は、山に登ってリフレッシュする時間ですね。もともと自然の中に身を置くのが大好きで、月に一回は山に出かけています。お気に入りは、穂高連峰や冬の八ヶ岳。2泊3日で重さ15キロほどの装備を担いで登るのですが、山頂から見る雄大な景色は圧巻です。今、楽しみにしているのは台湾でいちばん高い玉山に登ること。約3900mの山なのですが、練習も兼ねて今年は3回、富士山に登りました。

――プラチナのジュエリーを身に着けて出かけるとしたら、どんなときに、どんな場所に出かけてみたいですか?

まず、プラチナを見つける旅に出かけるところからはじめてみたいです(笑)。自分で見つけたプラチナをジュエリーとして身につけ、大切な人と素敵なレストランで美味しいディナーを楽しめたら最高です。

――最後に、ご自身の今後の目標をお聞かせください。

事業としてはMizLinxのシステムを国内はもちろん、海外のさまざまな地域で活用してもらえるよう、ブラッシュアップを重ね、グローバルなプロダクトとして価値を高めていきたいです。私個人の目標としては、まだ誰も足を踏み入れていない、宇宙の海にいつか行ってみたい。宇宙には地球と同じように海を持つ星があると言われています。その星に行って、海底探査をしたいんです。そう考えるとワクワクが止まらなくて(笑)。子供の頃から変わらないこのワクワクをこれからも持ち続けることがいちばんの目標かもしれませんね。

Profile

野城菜帆(やしろ なほ)

野城菜帆(やしろ なほ)

1996年千葉県生まれ。2022年慶應義塾大学大学院理工学研究科修了。
大学院在学中の2021年8月に株式会社MizLinxを設立し、
水産業の生産性向上を実現するための海洋モニタリングシステムを開発。
公益財団法人みんなの夢をかなえる会主催「みんなの夢AWARD12」にて
準グランプリ受賞。Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023受賞。

野城菜帆(やしろ なほ)

※2023年9月取材

「プラチナ・メダル」とは

プラチナ・メダル

プラチナ・ジュエリーの国際的広報機関プラチナ・ギルド・インターナショナルが、貴金属の最高峰であるプラチナを500 グラム以上も使用して製作した特別な宝飾メダルです。

素材 Pt999(純プラチナ)
総重量 565.84グラム (留金具2個含む、リボン別)
サイズ 直径 880 ミリ、厚さ 6 ミリ
参考価格 約 1000 万円(非売品)

素材: Pt999(純プラチナ)
総重量: 565.84グラム (留金具2個含む、リボン別)
サイズ: 直径 880ミリ、厚さ 6ミリ
参考価格:約1000 万円(非売品)

プラチナ・メダル

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