プラチナ・ジュエリーの国際的広報機関による情報サイト
2022.3.15
2023.8.4
無限に見える虹色の輝きを宿したオパール。オパールにしかない神秘的なきらめきは多くの権力者や芸術家たちを魅了し、その歴史に名前を残しています。
見た目の美しさはもちろん、人生を豊かにしてくれるポジティブなエネルギーに満ちた石であることも、人気の理由のひとつです。今回はそんなオパールの特徴や人々を惹きつけてやまない魅力について、詳しく解説していきます。
オパールの特徴といえば角度によって変化する虹色のきらめきです。
青や紫、黄色、赤といった色とりどりの揺らめきは、見るたびに異なる色を見せてくれるため、ずっと見ていても飽きることがありません。
「遊色効果(ゆうしょくこうか)」と呼ばれるこの現象は、たくさんの宝石がある中でもオパールにしか見られない特別なものです。
遊色効果が生まれる秘密は、オパールの形成過程にあります。
ミネラルの一種であるシリカという成分を豊富に含んだ地下水が岩のすき間に入り込み、蒸発が繰り返されることで堆積して何百万年もかけて生成されるのがオパールです。
虹色のきらめきはシリカの密度の違いや、それぞれの層の屈折率の違いによって生まれます。
オパールは10月の誕生石としても有名ですよね。また、さそり座の人を災いから守り、幸運をもたらす守護石とされています。
同じ10月の誕生石にはトルマリンという石もあります。オパールのような虹色のきらめきはありませんが、「すべての色がある」と言われるほどカラーバリエーションが豊富で、ファッションジュエリーに人気です。
オパールの名前の語源は、古代インドのサンスクリット語で貴重な石を意味する「ウパラ」。
その後ギリシャ語で「色の変化を見る」という意味の「オリパス」に、ラテン語で「尊い石」や「宝石」の意味を持つ「オパルス」に変化し、オパールと呼ばれるようになったといわれています。
和名では「蛋白石(たんぱくせき)」と呼ばれ、日本で一般的なホワイトオパールが卵の白身に似ていることからその名前が付けられました。
オパールの歴史は古代ローマやギリシャ時代に遡ります。その神秘的な見た目から古来では予知能力を実体化したものだと考えられていたり、「神の石」と呼ばれ神聖なものとされていました。
また、歴史上の著名な人物たちとの逸話も多く残されています。例えば古代ローマの政治家だったマルクス・アントニウスです。元老院議員の持っていたオパールに一目ぼれをした彼は、クレオパトラに贈るために譲ってほしいと頼んだものの叶わず、その元老院議員を国外追放してしまいます。
イギリスのビクトリア女王が愛し、娘たちの結婚祝いに贈った宝石としても有名です。小説や詩の中に描かれることも多く、文豪シェークスピアの小説の中では「宝石の女王」と記されています。
オパールの主な産地はオーストラリア、メキシコ、エチオピアなど。世界の産出量の約9割はオーストラリアで採掘されたものになります。
最も有名なのはオーストラリア南部に位置し、オパールの都と呼ばれるクーバーペディ。最大170カラットのオパールが発掘されたこともある良質なオパールの産地です。
日本でもわずかですが、福島県宝坂屋敷鉱山で採掘されていた歴史があります。
オパールの石言葉は「幸福」「希望」「歓喜」「純真無垢」など。
ローマ時代から「幸運を招く石」「希望の石」とされていたオパールは、ポジティブで希望に満ちたエネルギーをもつ石です。
思考を柔軟にし、クリエイティブな才能を発揮させたり、内に秘めた美を引き出してくれるパワーがあるとされているため、発想力を高めたい、心身ともに美しくありたいと願う人をサポートしてくれます。
日本で「象牙婚式」とされる結婚14周年。
アメリカでは結婚記念石としてオパールを贈る風習があります。以前はアメリカでも象牙を使ったアイテムを贈り合うのが定番でしたが、環境保護の観点からオパールが選ばれるようになりました。
オパール層のようにいくつもの歴史を重ねてきた結婚14周年には、これからの結婚生活が彩り豊かであるように願いを込めて、オパールのジュエリーを贈るのも素敵ですね。
オパールは遊色効果のある・なしによって、2つの種類に分けられます。
それぞれの特徴や人気の石の種類を見ていきましょう。
ジュエリーとして人気が高い遊色効果がみられるオパールは、プレシャスオパールと呼ばれています。
プレシャスオパールの仲間には、地色が白色のホワイトオパールやブラックオパール、母岩と一体になったカンテラオパールがあります。
中でも人気なのはブラックオパールという地色が黒色のオパールです。オーストラリアのライトニングリッジという小さな町の周辺でのみでしか採掘されないため希少価値が高く、漆黒の中に揺らめく虹色のコントラストが多くのセレブを魅了しています。
遊色効果がないオパールはコモンオパールと呼ばれ、半透明から不透明のクリーミーな色合いが特徴です。
コモンオパールの仲間にはグリーンオパールやピンクオパールがあります。
グリーンオパールの中でも特に人気なのは、メノウのような縞模様にキャッツアイ効果に似た現象がみられる「ドラゴンアイ」という種類。
また、愛らしいパステルピンクのピンクオパールは「キューピッドストーン」と呼ばれ、出会いを引き寄せてくれる石として特に女性に人気があります。
普段のお手入れではやわらかい布で拭く程度で大丈夫です。汚れや曇りが気になる場合はぬるま湯に中性洗剤を入れたものに浸し、筆やガーゼなどのやわらかいもので汚れを落とします。
水でしっかりとすすいだ後はタオルで水けをしっかりと拭き、風通しの良い場所で自然乾燥をさせてからしまいましょう。
オパールは数ある宝石の中で唯一水分を含んでいる宝石です。オパールが産出される半砂漠地帯と比べて日本は湿度も高いため神経質になる必要はありませんが、極端に乾燥する場所での保管は避けた方が無難です。また、直射日光が当たる場所や熱がこもる場所も避けましょう。
いくつもの層が重なり合うことで美しい虹色の輝きを生み出し、ポジティブなエネルギーをもたらしてくれるオパール。色の揺らめきを楽しみたいオパールには、地色を引き立て虹色とのコントラストをより美しく見せてくれるプラチナのジュエリーがおすすめです。
内なる魅力を引き出し、自らを輝かせてくれるパワーを秘めたオパールは、しなやかで真っすぐな輝きを持つプラチナと組み合わせることで、より魅力的な女性を演出してくれます。
最近更新された記事