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2019.11.28
2024.4.11
1月から12月までの各月には宝石があてはめられており、自分が生まれた月の宝石、つまり誕生石を身に着けると幸せが訪れる、願いが叶うと言い伝えられています。
結婚指輪の裏石としても人気な誕生石にはどのようなものがあるのでしょうか。ルーツや誕生石に込められた意味も一緒にご紹介します。
誕生石のルーツは諸説あります。旧約聖書の『出エジプト記』に出てくるイスラエルの祭司長の胸当てにはめ込まれた12種類の宝石や、新約聖書の『ヨハネの黙示録』で描かれている聖都の城門の12個の土台石が現在の誕生石の基礎になっているようです。
その後、誕生石はユダヤ人宝石商の手によって世間に広まったと言われています。しかし、宝石の交易が活発になると、各地で誕生石にばらつきが出るようになってきました。そこで、1912年、アメリカの宝石業界が宝石の普及を目的に、初めて誕生石を統一しました。
アメリカが誕生石を統一したことを受けて、他の国も次々と誕生石を制定していきました。日本の誕生石は1958年に全国宝石商組合が制定しています。基本的にはアメリカの誕生石をもとにしていますが、そこに東洋七宝である珊瑚とヒスイを加えています。
日本 | アメリカ | イギリス | |
1月 | ガーネット | ガーネット | ガーネット |
2月 | アメシスト | アメシスト | アメシスト |
3月 | アクアマリン 珊瑚 |
ブラッドストーン アクアマリン |
ブラッドストーン アクアマリン |
4月 | ダイヤモンド | ダイヤモンド | ダイヤモンド 水晶 |
5月 | エメラルド ヒスイ |
エメラルド | エメラルド |
6月 | 真珠 ムーンストーン |
真珠 ムーンストーン |
真珠 ムーンストーン |
7月 | ルビー | ルビー | ルビー |
8月 | サードオニキス ペリドット |
サードオニキス ペリドット |
サードオニキス ペリドット |
9月 | サファイア | サファイア | サファイア ラピスラズリ |
10月 | オパール トルマリン |
オパール トルマリン |
オパール |
11月 | トパーズ シトリン |
トパーズ | トパーズ |
12月 | ターコイズ ラピスラズリ タンザナイト |
ターコイズ ラピスラズリ |
ターコイズ |
3月や5月など月によっては複数の誕生石が定められているので、何を身に着けたら良いのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。どれを身に着けた方が良いという決まりはありませんので、好きな宝石を一つ選択しても良いですし、該当の月のものをすべてそろえても問題ありません。
その日の気分や服装に合わせて、自由に身に着けてみてください。
実は誕生石には一つひとつ意味が込められていることをご存知でしょうか。
月 | 誕生石 | 意味 |
1月 | ガーネット | 貞操、真実、友愛、忠実 |
2月 | アメシスト | 誠実、心の平和 |
3月 | アクアマリン、珊瑚 | 沈着、勇敢、聡明 |
4月 | ダイヤモンド | 清浄無垢 |
5月 | エメラルド、ヒスイ | 幸運、幸福 |
6月 | 真珠、ムーンストーン | 健康、長寿、富 |
7月 | ルビー | 熱情、仁愛、威厳 |
8月 | ペリドット、サードオニキス | 夫婦の幸運、和合 |
9月 | サファイア | 慈愛、誠実、徳望 |
10月 | オパール、トルマリン | 安楽、忍耐、心中の歓喜 |
11月 | トパーズ、シトリン | 友情、希望、潔白 |
12月 | ターコイズ、ラピスラズリ、タンザナイト | 成功 |
意味を知っていると、相手にプレゼントするときや自分で身に着けるときにより特別なものに感じられると思います。
深みのある美しい赤色が特徴的なガーネット。古くから、魔除けや勝利へ導く護符として大切にされてきた石です。
赤色のものが主流ですが、オレンジや緑、シャンパンゴールドなど豊富なカラーがあります。
ガーネットの原石は小粒の鉱物が集まったユニークなかたちをしているのが特徴です。
果物の柘榴(ざくろ)に似ている姿から、ラテン語で「種子」を意味する「granatus(グラナタス)」が語源となり、ガーネットと呼ばれるようになりました。和名でも「柘榴(ざくろ)石」と呼ばれています。
ミステリアスな紫色を持つアメシスト。和名では「紫水晶」と呼ばれている、水晶の一種です。
内包物が少なく、ガラスのように澄んだ光沢感があるのが特徴で、ジュエリーを彩るカラーストーンとしても人気があります。
古くからアメシストには平静さをもたらす力があると考えられていたことから、その語源もギリシャ語で“酒に酔わない”という意味をもつ「amethystos(アメティストス)」からきています。
「アメジスト」と表記されることも多いですが、どちらも間違いではありません。
澄んだ淡い青色が美しいアクアマリン。海を思わせるその色合いから、海の力を持つと考えられている宝石です。
その名前もラテン語で水と海を意味する「Aqua(アクア)」と「Marinus(マリン)」からきています。
夜の闇の中でもわずかな光を受けて煌めく姿から「人魚石」「夜の女王」とも呼ばれ、中世ヨーロッパでは夜会に身に着けるジュエリーとして貴族から愛されてきました。
アクアマリンは結婚4年目の結婚記念石でもあり、「幸せな結婚」を象徴する石です。
贈られた人はもちろん、贈った人も幸せになれるという言い伝えがあります。
朱色や鮮やかな赤色にツヤを宿した珊瑚。熱帯から温帯域に生息する生き物で、真珠と同じ有機質の宝石です。
英語名はcoral(コーラル)で、ギリシャ語で「小さな玉石」を意味する「Korallion」が由来になっています。
血液を連想させる色合いや、長い年月をかけて育つその性質から、強い生命力を象徴する宝石だと考えられ、厄災や病魔から守る力を持つと信じられていました。
色によって持つ意味も異なりますが、持ち主の心身を健やかに保ち、活き活きとした日々をもたらしてくれます。
言わずと知れた宝石の王様ダイヤモンド。炭素のみで構成された、地球上でもっとも硬い鉱物で、カットされたものはどの宝石よりも高い屈折率と分散率を誇ります。
その硬さと圧倒的な輝きから、持ち主の望むものを守護する力があると言われています。ダイヤモンドの名前もそんな力を象徴するように、ギリシャ語で「無敵」「征服されない」を意味する「Adamas(アダマス)」が由来となっています。
無色透明なものが一般的ですが、ピンクやブラック、イエロー、ブルーなど色付きのダイヤモンドもあります。
燃えるように鮮やかな深緑色のエメラルド。ダイヤモンドと並ぶ世界4大宝石の1つで アクアマリンと同じベリルという鉱物の一種です。
エメラルドの語源はインドの古典語で「緑の石」を意味する「smaragdos(スマラカタ)」。
緑色には古くから人を癒す力があると考えられていたことから、エメラルドには持ち主の心を穏やかにし、必要な知恵を授ける力があると言われています。
その穏やかで深みのある緑色は円熟した夫婦にも例えられ「エメラルド婚式」という結婚55周年記念日の名称にもなっています。
ツヤのある深緑色がオリエンタルな魅力を醸し出す翡翠(ヒスイ)。
日本ならではの地質が生み出す鉱物であることから、日本を象徴する「国石」にも選ばれている宝石です。
翡翠の名前は読み方にあるように、輝くような青緑色の羽をもつ鳥「カワセミ」が由来になっています。赤と緑を併せ持つミャンマー伝来のヒスイと似ていることから、その名前が付けられました。
人間の皮脂によって表面のツヤが増すことから、身に着ければ身に着けるほど美しくなる「色が育つ宝石」と言われています。
無垢な白色に、虹色の輝きが宿る宝石パール。海や川、湖に棲む二枚貝から採れる有機質の宝石です。
その神秘的な輝きから涙の象徴とされてきました。ドレスアップすることが礼儀とされていたイギリスで、エリザベス女王が国葬で悲しみを表す宝石としてパールを身に着けたのがはじまりで、その後イギリスの上流階級の女性たちがそれに倣ったことで、当時西洋化が進んでいた日本でも定着したと言われています。
母貝の中で守られ、長い年月をかけて育まれることから家族の愛の象徴とも言われており、結婚や出産のお守りとしても人気があります。
夜空に浮かぶ月のように、やわらかな輝きを纏うムーンストーン。
ケイ酸ナトリウムからできた長石という石の仲間で、和名では月長石(げっちょうせき)と呼ばれています。
石の表面に浮かび上がる独特の輝きはシラー効果によるもので、屈折率が異なる2種類の鉱物から成る構造が、シラーと呼ばれる青白い光を生み出します。ムーンストーン(moonstone)は、直訳すると「月の石」。
夜空の月と輝きが似ていることから月との関わりが深いと考えられ、その名がついたと言われています。
そして宝石にも月の神秘的なパワーが宿っていると考えられています。
深紅の輝きを宿した赤色のルビー。その美しさと希少性から「宝石の女王」と呼ばれて、王族や貴族に愛されてきた宝石です。
サファイアと同じ「コランダム」という鉱物の一種で、赤い色をしたものがルビーと呼ばれ、ダイヤモンドの次に高い硬度を誇ります。
ルビーの名の由来は、ラテン語で赤を表す「ルベウス」。日本名でも色の名前が入った「紅玉(こうぎょく)」と呼ばれています。
その魅惑的な赤色から、神秘の力が宿っていると考えられ、古くからお守りとして重宝されてきました。
美しい縞模様が特徴的なサードオニキス。赤やオレンジの鮮やかな地色に、茶色や白の縞模様が美しい宝石です。
水晶と同じ石英族の一変種で、瑪瑙(めのう)の仲間になります。
名前の由来は古代ギリシャ語で赤や茶色の意味を持つ「Sard(サード)」と、色のコントラストが人の爪に似ていることから、爪を意味する「Onyx(オニキス)」を組み合わせてつけられました。
サードオニキスは持ち主を邪な考えから護り、内面の美しさを引き立て、恋人や夫婦関係に安定と幸せをもたらしてくれると言われています。
「出雲大社」の御神体の一部にサードオニキスが使われていることから、縁結びのパワーストーンとしても人気があります。
爽やかなグリーンが目をひくペリドット。火成岩中に含まれるかんらん石の中でも、特に透明度が高く、美しい緑色をしているものがペリドットです。
名前はアラビア語で「宝石」という意味の「faridat(ファリダット)」に由来します。
色欲をなだめ、狂気や発作を鎮める力があると考えられていたことから、夫婦円満のお守りに良いとされ、日本でも結婚2周年を祝う宝石にも選ばれています。
屈折率が高く、暗闇でも輝く性質で古代エジプトでは「太陽の石」「イブニングエメラルド」と呼ばれ、闇を払うお守りとして重宝されてきました。
吸い込まれるような深い青色を持つサファイア。
ルビーと同じコランダムの仲間で、ダイヤモンド、ルビー、エメラルドと並ぶ、世界4大宝石のひとつです。
サファイアの名前の由来は、ラテン語で青を意味する「Sapphirus(サフィルス)」。
青色は誠実な愛をもたらす色だといわれ、愛のお守りとしても親しまれています。
日本では23年目の結婚記念日が青玉(サファイア)婚式です。夫婦の節目を祝う贈り物にサファイアが選ばれています。
白や黒の地色に虹色の輝きを宿したオパール。
色とりどりの揺らめきは、「遊色効果(ゆうしょくこうか)」と呼ばれる現象で、たくさんの宝石がある中でもオパールにしか見られない特別な性質です。
オパールの名前の語源は、古代インドのサンスクリット語で貴重な石を意味する「ウパラ」から。
日本で一般的なホワイトオパールが卵の白身に似ていることから、和名では「蛋白石(たんぱくせき)」と呼ばれています。
その神秘的な見た目から古来では予知能力を実体化したものだと考えられていたり、「神の石」と呼ばれ神聖視されていた歴史があります。
「存在しない色はない」といわれるほど豊富なカラーバリエーションを持つトルマリン。
さまざまな組織のケイ酸塩鉱物の一族で、海外では古くからエメラルドやルビー、サファイアなど、希少な宝石の代わりとして愛されてきました。
トルマリンという名前は1つの宝石名ではなく、結晶構造が同じ30種類以上の鉱物種を指す総称で、その色ごとに名前がつけられているのが特徴です。
熱や圧力をかけると電気を帯びることから和名では電気石とも呼ばれています。
トルマリンの名前の由来は諸説ありますが、水流によって運ばれ砂礫(砂や小石)の中で見つかることから、シンハラ語で「宝石の砂礫」を意味するトゥルマリがつけられたと言われています。
古くからパワーストーンとしても親しまれているトパーズ。自然界では無色が多いですが、加工により様々な色が作り出されています。産地はブラジルのミナスジェライス州を主に、ロシア、ドイツ、ナイジェリアなど世界各地に広がります。
トパーズの中にもいくつか種類があり、特にインペリアルトパーズと呼ばれる種類は希少価値が高く、ロシア皇帝のジュエリーとしても使われた歴史があります。石言葉には「友情」「希望」「誠実」「潔白」といった意味が込められています。
比較的お手入れがしやすい石ですが、直射日光や急激な温度変化は避けてください。多彩な色合いと煌めきを持ち、プラチナとの組み合わせが特に美しいトパーズは、ジュエリーとしても人気です。
太陽のような黄金色が特徴的な水晶の一種シトリン。黄色は結晶内の鉄によるもので、色合いははちみつのような淡い黄色からオレンジ色がかった黄色まで様々です。
古代ギリシャから人々を魅了してきたシトリンは、金運や財運を高める石としても知られています。主な産地はブラジルやボリビアなど南米系。実はアメシストはシトリンの種類の中の一つで、他にもシトリントパーズ、アメトリン、マデイラシトリンなどがあります。
石言葉は「富」「繁栄」「幸運」「成功」で、商売運を高める効果があるとされています。お手入れは比較的簡単ですが、直射日光や急激な温度変化には注意してください。
ブルーグリーンやスカイブルーのマットな地色に、黒い蜘蛛の巣模様が浮かぶターコイズ。アメリカでは結婚11周年、日本では結婚3周年を祝う結婚記念日の石でもあります。
トルコを経由してはじめてヨーロッパに伝えられたことから、フランス語で「トルコの石」を意味する「ピエール・テュルクワーズ(pierre turquoise)」と名づけられ、日本でもトルコ石と呼ばれています。
古来より空と大地を結びつけ、相反するエネルギーをひとつにまとめる力があると考えられいたことから、ネイティブアメリカンからは神の石と呼ばれ崇められていました。
ハッとするような美しい青色に、星を散らしたようなラピスラズリ。複数の鉱物が混ざり合ってできた宝石です。
青色は主成分のラズライトやアウィン、金色のパイライト、白やグレーのカルサイトが混ざり合って、星空のような豊かな表情を見せています。
ラピスラズリの由来は、アラビア語で「天」や「空」を意味する「lazward(ラザワルド)」と、ラテン語で石を意味する「Lapis(ラピス)」から。
和名では「瑠璃」と呼ばれていて、仏教における七宝(しっぽう)のひとつにも選ばれています。
その美しい青色から「至上の青」として神聖視され、お守りとしてはもちろん、顔料や絵画の着色料に使用されてきました。
2021年12月20日に、全国宝石卸商協同組合、日本ジュエリー協会、山梨県水晶宝飾協同組合によって、63年ぶりに日本の誕生石が改定されました。
今回の改定によって、以下の10種類の石が加わりました。
月 | 誕生石 | 意味 |
2月 | クリソベリル・キャッツ・アイ | 驚嘆など |
3月 | アイオライト ブラッドストーン |
貞操、自己同一性、誠実など 勇気、救済、献身など |
4月 | モルガナイト | 清純、愛情、優美など |
6月 | アレキサンドライト | 高貴、情熱など |
7月 | スフェーン | 永久不変、純粋など |
8月 | スピネル | 努力、目標達成、向上など |
9月 | クンツァイト | 無償の愛、純粋など |
12月 | ジルコン タンザナイト |
生命力、成功、行動力など 知性、冷静、神秘など |
ハチミツ色の地色に、一筋の光を宿したクリソベリル・キャッツ・アイ。火山石の一種で、緑から黄色の美しい色をしています。
クリソベリルの名前の由来は、ギリシャ語で黄金を意味する「chrysos(クリソス)」と、ベリル元素を意味する「ベリロス(beryllos)」。
表面の光はシャトヤンシーと呼ばれる反射効果で、結晶に対して平行になるようにカボション・カットすることで現われます。
ベリルやトルマリンなど、ほかにもキャッツアイ効果が現われる宝石はいくつかありますが、シャトヤンシーが最も美しい宝石はクリソベリル・キャッツ・アイだと言われています。
澄んだ青紫色が美しいアイオライト。ギリシャ語ですみれ色を意味する「ion」と、石を意味する「lithos」が名前の由来です。
和名でも菫(すみれ)の文字が入った「菫青石(きんせいせき)」と呼ばれています。
タンザナイトと同じく多色性がある宝石で、見る角度や明かりの条件によって青や灰色、黄色と、変化します。
その性質からかつてバイキングがコンパス代わりにしていたという言い伝えがあり、夢や目標に向かうための道しるべとなってくれる宝石です。
深いブルーやグリーンの地色に、赤い斑点模様が浮かぶブラッド・ストーン。
カルセドニーの変種であり、ジャスパーという石の一種です。血が飛び散った跡のように見える斑点模様は酸化鉄によるもの。
ブラッド・ストーンは英語で「Bloodstone」。その見た目通り「血の石」と名づけられていて、日本名もそのまま「血石」(ちせき)と呼ばれています。
他にはない神秘的な見た目で特にヨーロッパで人気が高く、彫刻やカメオに加工されて愛されてきました。
その妖しい見た目から「負のパワーを秘めているのではないか?」と勘違いされがちですが、実際は持ち主を負のパワーから守る、ヒーリング能力に長けた石だと言われています。
桜の花びらのような優しいピンク色のモルガナイト。
アクアマリンやエメラルドと同じベリルという鉱物の一種で、1911年にマダガスカルで発見された比較的新しい天然石です。
発見された当初はピンクベリルと呼ばれていましたが、その後宝石愛好家で石の発見者でもあるクンツ博士によってモルガナイトと名づけられ、自身の後援者でもあるJ.P.モルガン氏に感謝の意を表してモルガンと名づけられました。
マンガンの含有量によって色が変化するのが特徴で、淡いピンク色からオレンジがかったピンク、青みを帯びたピンクまで、さまざまな色があります。
昼と夜でその姿を変えるミステリアスなアレキサンドライト。
昼間の太陽や蛍光灯の下では青緑色に、ロウソクや白熱灯の下では赤や紫に変化するため、「昼のエメラルド」「夜のルビー」と呼ばれています。
これほどはっきりとカラーチェンジする宝石は珍しく、その神秘的な美しさから、発見されたロシアでは皇帝に献上された華々しい歴史を持ちます。
献上された日がロシア皇太子(のちのアレクサンドル2世)の成年式であったことから、「アレキサンドライト」と命名されたと言われています。
ダイヤモンドに勝る輝きで人々を魅了するスフェーン。
ハチミツのように優しい黄色から深い緑色までの色があり、虹色の輝きを示す「ファイア」が強いことから、美しい虹色の輝きが見られるのが特徴です。
結晶がV字型にとがっていることから、ギリシャ語で「くさび」を意味する「Sphenos(スフェノス)」に由来してスフェーンと名づけられました。
周囲を惹きつける美しい輝きから、持ち主の秘めた才能を引き出し、人脈やチャンスを引き寄せて成功へ導く力があるとされています。
ルビーに似た鮮やかな赤色をもつスピネル。赤色以外にも、紫、オレンジ、青などの豊富なカラーバリエーションがあります。
産地が同じことや外見が似ていること、さらには科学的特性が類似していることから、赤のスピネルはルビーと、青いスピネルはブルーサファイアと長年に渡って間違えられてきました。
八面体で先端が尖った原石の姿から、ラテン語で「小さなとげ」を意味する「spina」が語源になっています。
その鋭い形状から、感覚的な鋭さを高める力があると言われており、目標達成のための判断力や決断力をもたらしてくれると言われています。
紫がかったピンク色が優美な雰囲気をかもしだすクンツァイト。
スポデューメンと呼ばれる鉱物の一種で、和名では「リチア輝石(りちあきせき)」と呼ばれています。
宝石愛好家のクンツ博士によってカリフォルニア州で発見され、彼の名前にちなんでクンツァイトと名付けられました。
地名に由来して「カリフォルニア・アイリス」とも呼ばれています。
恋愛をサポートしてくれるパワーストーンとしても人気があり、感情のバランスを保ち、安心感をもたらす効果があるとされています。
ダイヤモンドに劣らない強い輝きを持つジルコン。46億年以上前に形成された、世界最古の宝石だと言われています。
その名前から人工ダイヤモンドのキュービックジルコニアと混同されることも多いですが、れっきとした天然石であり、価値のある宝石です。
無色透明なものが一般的ですが、赤や黄色などさまざまな色があります。
ジルコンの名前の由来には諸説あり、その語源はアラビア語で「赤」を意味する「zarkun(ザルクン)」、古代ペルシャ語で「zar(金)gun(色)」を意味する言葉からきていると言われています。
怒りや悲しみを鎮め、感情を穏やかにしてくれる力があるとされ「平和の石」とも呼ばれています。
神秘的な青紫色を見せるタンザナイト。1967年にタンザニアで発見された比較的新しい宝石です。
透明感がある青色や紫が強い青色など、見る角度や条件下によって色が変化する多色性があります。
タンザナイトの名前の由来は、産出国であるタンザニアの山々を彩る夕暮れの色から。
宝石の色と似ていたことから、世界的ジュエラーによって「タンザニアの夜」=「タンザナイト」と名付けられました。
夕闇を思わせる色が気持ちを落ち着かせ、知性や意識を高めて成功をもたらしてくれると言われています。
誕生石というと、生まれた月のものしか身に着けられないと思っている方もいるかもしれませんが、月替わりや、その時の思いにふさわしい意味を持つ宝石を選んで身に着けるという方法もあります。
地球が長い年月をかけて育んだ美しい宝石の数々。その色や輝き、透明感を最大限に活かすプラチナの台にセットしたジュエリーを、誕生石という切り口から気軽に楽しんでみてはいかがでしょうか。
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